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ーきゅうかくうしお的醸すin城崎ー 滞在日記【1】
きゅうかくうしお

2022.7.31

パフォーマンスユニット「きゅうかくうしお」のメンバー9名が、2022年1月23日~2月5日城崎国際アートセンターに滞在し、リサーチと新作のクリエーションを行ないました。作品のテーマは「醸す」。
自由につくることに集団として向き合い、各メンバーの視点で作品化された「醸す」が空間内で交わる新作「KU的醸すin城崎」は、観客が各作品を自由に鑑賞・体験できる形式をとり、様々な「醸す」についての考察を体験者に促すインスタレーション作品です。
2022年2月4日(金)に予定されていた試演会は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となってしまいました。この連続エッセイでは、滞在制作の様子や城崎で感じたことを、メンバーのうち石橋さん、河内さん、辻本さん、松澤さん、矢野さんの5人にそれぞれの視点で綴っていただきます。まずは、滞在制作を時系列で振り返ります。

■きゅうかくうしおとは?


2010年、辻󠄀本知彦と森山未來が立ち上げたユニット「きゅうかくうしお」。
現在では、今までに関わったスタッフをメンバーとして活動。
日々係う(かかずらう)ことで生まれるあらゆる現象・感情を創作の起点とし、一人ひとりが自尊心を持ち自立した個の集団として、自由に思考・議論しながら創作のあり方を探り、日常への問いを提示する。
主な作品に、2010年『素晴らしい偶然をもとめて』、2017年『素晴らしい偶然をあつめて』VACANT  (原宿)、2019年『素晴らしい偶然をちらして』横浜赤レンガ倉庫1号館(横浜)。
きゅうかくうしお公式サイト


■背景 〜城崎に来るまで〜


[ 2020年4月 ]
横浜赤レンガ倉庫公演の4ヶ月後、新型コロナウイルス感染拡大による1回目の緊急事態宣言発令を背景に3日に1回のYouTubeLIVE配信を開始。5月31日にYouTubeLIVEパフォーマンス配信。
KYUKAKUUSHIO AIR YouTube Live Performance

[ 2020年8月 ]
メンバーが所有する山林の開墾と舞台建立を行い、舞台作品「地鎮パフォーマンス」を無観客無配信で上演。後日映像作品化しYouTubeにて公開。コロナ禍における新たな創作活動のあり方を模索するなか、方向性や認識のズレや疲弊が重なり、立て直しのため城崎入りまで活動休止期間を設ける。
▼「地鎮パフォーマンス

[ 2021年9月 ]
城崎滞在中に制作する新作のテーマを「醸す」に決定。引き続き全員で集まることはせず、メンバーは個人またはグループでの事前リサーチを開始。
松澤(映像)と矢野(宣伝美術)による「きゅうかく的醸す」リサーチ

[ 2021年11月 ]
メンバーの中原(音響)が脱退。

 

■活動記録 〜城崎にて〜


[ 2022年1月23日 ]
きゅうかくうしおメンバー、城崎に到着。
文化観光高付加価値化リサーチチーム主催のワークショップにて、但馬近郊在住の「醸す人」8名とのトークセッションに参加する。
▼トークセッション概要 豊岡・鳥取在住者×きゅうかくうしお「醸しだされる地域の文化をさぐる」
photo by 朝倉大地

(左から)城崎温泉最後の芸者と呼ばれる秀美さんによる踊りの稽古/豊岡市立コウノトリ文化館での変形菌(粘菌)についてのレクチャー/竹野地区での罠猟(害獣対策)同行/「しょうゆの花房」主催味噌作りワークショップ

[ 2022年1月24日〜 ]
リサーチとクリエーションを開始。各メンバーが初日のトークセッションにて話を伺った方々の仕事場へ訪問したり各種レクチャーを受ける。


[ 2022年1月25日〜 ]
“全員で体を動かすこと”を目的に、クリエーションの一環として毎朝9時にメンバーが手を繋いで城崎の町中を散歩する「手つなぎ朝散歩」を開始。日中はメンバー各自がリサーチとクリエーションを重ね、午後にKIACのホールにネタを持ち寄り作品の試作を重ねる。



[ 2022年1月30日〜 ]
2月4日のKIACでの試演会へ向け作品の作り込みに入る。



[ 2022年2月2日 ]
予定していた試演会が新型コロナ感染拡大のため中止決定。
作品の発表方法を協議し、インストラクション(指示書)の販売に切り替える。

[ 2022年2月4日 ]
個々の「醸す」作品を配置したインスタレーションを作成し、この新作「KU的醸す in 城崎」をインストラクション(指示書)として販売することを発表。当日夜に新作リリースパーティをKIACで行い、その様子をドライブスルー観覧という形で一般公開。
きゅうかくうしお公式Instagramにてライブ配信

[ 2022年2月5日 ]
きゅうかくうしおメンバー、城崎を発つ。

 

■新作「KU的醸すin城崎」




行き詰まりを感じていた我々は、この集団の実態を自ら理解するために、「醸す」というキーワードを掲げ城崎という街でリサーチを重ねた。無理をせずお互いの距離感を再確認しながら。
城崎で各々が見出した「発酵」とは。
それぞれが作品へ昇華させたものが一つの空間の中でパフォーマンスとして交わる。

【2022年2月4日 森山未來さんによる作品ノートより抜粋のうえ引用】

本作の実演に向けて、作品のインストラクション(指示書)を販売中!
作品詳細はこちら

 

 

企画:きゅうかくうしお
協力:城崎国際アートセンター(豊岡市)
記録写真:bozzo 制作協力:後藤かおり


 

きゅうかくうしお
2010年、辻󠄀本知彦と森山未來が立ち上げたユニット「きゅうかくうしお」。 現在では、今までに関わったスタッフをメンバーとして活動。 日々係う(かかずらう)ことで生まれるあらゆる現象・感情を創作の起点とし、一人ひとりが自尊心を持ち自立した個の集団として、自由に思考・議論しながら創作のあり方を探り、日常への問いを提示する。

公式WEBサイト
きゅうかくうしおYoutube
きゅうかくうしおInstagram
きゅうかくうしおTwitter