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イ・キョンソン/クリエイティブ・ヴァキ

©Jung, Hee-Seung

イ・キョンソン/クリエイティブ・ヴァキ(Kyung Sung Lee/Creative VaQi)

韓国/演出家
韓国の若手演出家。2007年にクリエイティブ・ヴァキを創設し、芸術監督を務める。これまでの作品に『The Dream Of Sancho(サンチョの夢)』、『The History Of Gangnam(江南の歴史)』、ソウルで上演された『Theatre Practice (演劇の実践)』シリーズがある。2009年の春川国際マイムフェスティバルでの受賞に続き、2010年の『Let Us Move Your Sofa(あなたのソファーを動かしましょう)』で東アジア最新コンセプチュアル演劇賞、『ナムサン・ドクメンタ』(2014)では、斗山蓮崗芸術賞を共に史上最年少で受賞。
現代社会における問題を、多様で幅広く感覚に訴えかける舞台言語を使用して描く、非常に優れた演出家で、ジャンルの脱構築、マルチメディアを実験的に活用し、観客のテキストへの依存を軽減させる手法をとる。これにより、メディアやインスタレーション、パフォーマンスを積極的に使いながらも、精確かつ批評的な見方を促進し、言葉が発するメッセージが持つ多感覚への伝達性を最大限に引き出すことが可能となる。彼の作品はこれまでに、フェスティバル/トーキョー、香港ブラック・ボックス・シアター・フェスティバル、ドイツのテアターフォルメン、ミュンヘン・レジデンス・シアター、カナダ・メルボルンのライブ・アーツ・フェスティバルで上演された。ソウル・マージナル・シアター・フェスティバルの第三代芸術監督を務め、現在はソウルの成均館大学の演出学科にて教鞭をふるう。

2022 プロジェクト

Story of an Island
  • ©Creative VaQi

  • ©Doosan Art Cente

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現代のさまざまな社会問題を緻密にリサーチし、形式にとらわれない、批評性に富んだパフォーマンスを創作する韓国のアーティスト集団クリエイティブ・ヴァキ(主宰:イ・キョンソン)。2度目の滞在となる今回、1948年に南北分断が進行する朝鮮半島の南にある済州島で起こった民衆蜂起と、その武装鎮圧などによって島民数万人が殺害されたとされる「済州島四・三事件」を題材にした新作のクリエーションを行う。
済州島の方言で「語ることのできない」を意味するタイトルが示す通り、近年、集団虐殺の現場から多数の遺骨が発掘された。メンバーがインタビューした遺族達の言葉を手がかりに、事件の犠牲者と遺族についての知られざる物語を立ち上げる。

2018 プロジェクト

Love Story
  • 『Before After』(2015)

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現代の様々な社会問題に対して、リサーチとワークショップを通して演劇化する手腕が、韓国演劇界で高く評価されるアーティスト集団クリエイティブ・ヴァキ(主宰イ・キョンソン)。南北経済協力事業の象徴とされ、韓国と共同の大規模工業地帯として運営されていた北朝鮮の開城工業地区についてのリサーチに基づく新作のクリエーション。
2016年2月、北朝鮮によるミサイル発射実験を受けて同地区が操業停止となり韓国企業が撤退したことで、恋人関係にあった韓国の男性と現地北朝鮮の女性による多くの若いカップルが、突然の別離を余儀なくされたという話をテーマに、リサーチとワークショップを通して、演劇作品を創作する。11月にソウルのドゥサン・アート・センターで初演される。