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南野詩恵/お寿司『結婚式』 ご出席・ご欠席・ワークインプログレス 試演会
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衣装作家の南野詩恵が作・演出・衣装を手掛ける舞台芸術団体「お寿司」が、戯曲『ロミオとジュリエット』に現代日本の結婚式の形式を重ねて生み出す観客参加型の舞台作品の試演会。
「なぜあなたはロミオなの?名前と家を捨ててくれたら、私も捨てます」と、13歳の少女が仕掛ける交渉の意味とは...?
400年以上前の戯曲と現代の婚姻の制度はどんな風に結びつくのでしょうか?
全12回の参列型稽古を経て、滞在終盤に全3回の試演会を行います。
試演会では、まるで世間の結婚式に参列するように、稽古に参加する人も観客も、友人・勤務先上司・親戚・見るだけの人…など『結婚式』の役割があって、「お寿司」の出演者たちと一緒にパフォーマンスに参加することができます。
セリフを言う参加もあり、動くだけ、歌うだけ、踊るだけ、観るだけもあり。
お好きなかたちで参列してください。
<アーティストからのメッセージ>
「ロミオとジュリエット」が日本において”悲恋の物語”とされている事が、とても不思議です。
私には、結婚式を挙げる話だと感じられました。
物語の中で一番に挙式をしたがっていたのはキャピュレットです。
また、生殖にかかわるジョークが多いです。
子孫繁栄のために全速力で受精卵に駆け寄っているように感じます。
当事者を一つ飛ばしたこの構図は、現代と何も変わらないように感じます。
結婚式とは一体なんなのか、
”家と血のための結婚式を挙げたい!新婦父”にフォーカスし、
誰もが出演/参列出来る場として舞台を立ち上げたいと考えています。
セリフが必要な方は準備してお待ちしております。
式場で、いつも通りに役を演じてください。
城崎の皆さま、お世話になります。
お寿司から「結婚式」の招待状です。
この機会をご一緒させてください。
お寿司 南野詩恵
--------------------------
ロミオとジュリエットは「悲劇」です。
世間では恋愛悲劇と捉えられているかもしれません。wikipediaにもそう載っています。確かに恋愛の持つ破壊衝動にも似た爆発的なものが描かれていると思います。
恋愛もひとつの要素ですが、それぞれが自分の考える「正しい」のかけ違いによる連鎖が物語を悲しい結末へ進めます。
いちばん私がフォーカスしているのは、
娘の意思を大事にするようなことを言っていても(キャピュレットがパリスに冒頭で「娘に言い寄ってみなさい、娘の反応次第。わしの意向は娘の意思の添え物。(この発言がすでに娘を所有物のようにみているかもしれな可能性についてはひとまず置いておく)」的なことを言っている)、結局は自分の思う通りに娘をコントロールしようとし、望まぬ結婚をさせようとした父がとどめをさした「悲劇」であると考えています。
結婚という制度への素朴な疑問と、子孫繁栄こそ「正しい」という思想に対する思いもあります。自分の経験では恋愛と結婚は結びつきませんでした。恋愛して一緒にいたいから一緒に住むことと、結婚は頭の中で結びつきませんでした。私は日本人のヘテロセクシャル男性です。滋賀県の大津市という、街でも農村でもない郊外にある核家族の家庭で長男として生まれ育ちました。世代的には小学生の低学年でバブルが崩壊し、中1で阪神大震災と地下鉄サリン事件が起き、酒鬼薔薇聖斗が同学年で、気がついたら就職氷河期になっていた頃に大学生になって、アメリカでは911テロが起き、その約10年後に311の大震災が起きています。結婚し子を育て家を買うことを人生計画に入れている同級生も多くいたので、その時代背景が私の結婚観に関係しているのかは正直分かりません。少なからず何かしらの影響を受けているとは思います。
口ではみんな相手の意思を尊重すると言います。ですが、切羽詰まったり余裕がなくなると自分の思い通りに周囲をコントロールしたくなってしまうことは多いのではないでしょうか。現代人も陥りがちなことがこのような悲劇を招くのではないかと考えています。悲劇悲劇と言っていますが、原作にもある通り喜劇的要素、コメディの要素が多くなると思います。悲しみの中のおかしみ、おかしみの中の悲しみは、「お寿司」が今までも描いてきた人間らしさでもあります。今回のレジデンスで作ろうとしているものは、いわゆる「観劇」するものではなく、参列型という出演者と観客の垣根のないような演劇作品を目指し試行錯誤します。みなさまと一緒に日頃の演劇とは違う体験ができることを楽しみにしています。
瀧口翔(『結婚式』 ご出席・ご欠席・ワークインプログレス ドラマトゥルク・音響)
「なぜあなたはロミオなの?名前と家を捨ててくれたら、私も捨てます」と、13歳の少女が仕掛ける交渉の意味とは...?
400年以上前の戯曲と現代の婚姻の制度はどんな風に結びつくのでしょうか?
全12回の参列型稽古を経て、滞在終盤に全3回の試演会を行います。
試演会では、まるで世間の結婚式に参列するように、稽古に参加する人も観客も、友人・勤務先上司・親戚・見るだけの人…など『結婚式』の役割があって、「お寿司」の出演者たちと一緒にパフォーマンスに参加することができます。
セリフを言う参加もあり、動くだけ、歌うだけ、踊るだけ、観るだけもあり。
お好きなかたちで参列してください。
<アーティストからのメッセージ>
「ロミオとジュリエット」が日本において”悲恋の物語”とされている事が、とても不思議です。
私には、結婚式を挙げる話だと感じられました。
物語の中で一番に挙式をしたがっていたのはキャピュレットです。
また、生殖にかかわるジョークが多いです。
子孫繁栄のために全速力で受精卵に駆け寄っているように感じます。
当事者を一つ飛ばしたこの構図は、現代と何も変わらないように感じます。
結婚式とは一体なんなのか、
”家と血のための結婚式を挙げたい!新婦父”にフォーカスし、
誰もが出演/参列出来る場として舞台を立ち上げたいと考えています。
セリフが必要な方は準備してお待ちしております。
式場で、いつも通りに役を演じてください。
城崎の皆さま、お世話になります。
お寿司から「結婚式」の招待状です。
この機会をご一緒させてください。
お寿司 南野詩恵
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ロミオとジュリエットは「悲劇」です。
世間では恋愛悲劇と捉えられているかもしれません。wikipediaにもそう載っています。確かに恋愛の持つ破壊衝動にも似た爆発的なものが描かれていると思います。
恋愛もひとつの要素ですが、それぞれが自分の考える「正しい」のかけ違いによる連鎖が物語を悲しい結末へ進めます。
いちばん私がフォーカスしているのは、
娘の意思を大事にするようなことを言っていても(キャピュレットがパリスに冒頭で「娘に言い寄ってみなさい、娘の反応次第。わしの意向は娘の意思の添え物。(この発言がすでに娘を所有物のようにみているかもしれな可能性についてはひとまず置いておく)」的なことを言っている)、結局は自分の思う通りに娘をコントロールしようとし、望まぬ結婚をさせようとした父がとどめをさした「悲劇」であると考えています。
結婚という制度への素朴な疑問と、子孫繁栄こそ「正しい」という思想に対する思いもあります。自分の経験では恋愛と結婚は結びつきませんでした。恋愛して一緒にいたいから一緒に住むことと、結婚は頭の中で結びつきませんでした。私は日本人のヘテロセクシャル男性です。滋賀県の大津市という、街でも農村でもない郊外にある核家族の家庭で長男として生まれ育ちました。世代的には小学生の低学年でバブルが崩壊し、中1で阪神大震災と地下鉄サリン事件が起き、酒鬼薔薇聖斗が同学年で、気がついたら就職氷河期になっていた頃に大学生になって、アメリカでは911テロが起き、その約10年後に311の大震災が起きています。結婚し子を育て家を買うことを人生計画に入れている同級生も多くいたので、その時代背景が私の結婚観に関係しているのかは正直分かりません。少なからず何かしらの影響を受けているとは思います。
口ではみんな相手の意思を尊重すると言います。ですが、切羽詰まったり余裕がなくなると自分の思い通りに周囲をコントロールしたくなってしまうことは多いのではないでしょうか。現代人も陥りがちなことがこのような悲劇を招くのではないかと考えています。悲劇悲劇と言っていますが、原作にもある通り喜劇的要素、コメディの要素が多くなると思います。悲しみの中のおかしみ、おかしみの中の悲しみは、「お寿司」が今までも描いてきた人間らしさでもあります。今回のレジデンスで作ろうとしているものは、いわゆる「観劇」するものではなく、参列型という出演者と観客の垣根のないような演劇作品を目指し試行錯誤します。みなさまと一緒に日頃の演劇とは違う体験ができることを楽しみにしています。
瀧口翔(『結婚式』 ご出席・ご欠席・ワークインプログレス ドラマトゥルク・音響)
- 日時
- ①7月5日(水)19:00~
②7月7日(金)19:00~
③7月9日(日)14:00~
※途中入退場自由
※稽古に参加しなくても、試演会に出演/参列/鑑賞できます。
- 会場
- 城崎国際アートセンター
- 料金
- 無料
- 持ち物
- 結婚式に参列するときのような格好でお越しいただくと、より楽しめます。
- 対象
- どなたでも
※経験不問。 試演会は日本語で行います。
※小学生以下の方は、保護者の方と一緒にご参列ください。
- 予約
- 電話または下記「申し込む」ボタンよりお申込みください。
※電話の場合は、イベント名、名前、年代、電話番号をお伝えください。
- 託児
- 託児をご希望の方は、各開催日1週間前までに城崎国際アートセンターへお電話でお申込みください。
(対象:満1歳〜就学前までのお子様)
- その他
- ■感染症対策について
・ 発熱や体調不良時には来館をお控えください。
・ 施設内でのマスク着用は個人の判断となります。混雑時や、継続的な発声を伴う公演等、必要に応じて着用してください。
・ 施設内での咳エチケットや手洗いの励行を推奨します。