滞在期間:2015/1/7(水)~2015/1/11(日)
Miwa Yanagi やなぎ みわ
兵庫
INFORMATION
「ゼロ・アワー」〜東京ローズ 最後のテープ〜
<プロジェクト概要>
2013年7月KAAT神奈川芸術劇場にて初演、8月あいちトリエンナーレ2013招聘作品として上演いたしました「ゼロ・アワー〜東京ローズ 最後のテープ〜」を、終戦70年を迎える2015年に北米5都市で上演いたします。
アメリカ・カナダ公演へ向けて ~波間に消えた声を求めて~
やなぎみわ
前線の兵士たちを虜にしたその声は一体どんな声だったのでしょうか。
彼らは何故、遥か海を越えて聞こえてくるその声に夢中になったのでしょうか。
戦争のさなか、故郷を遠く離れた南太平洋の夜のしじまのただ中にあって、ラジオにから耳元に流れてくるその声が「独りぼっちのアン」と名乗った時、どんな幻影が浮かんだのでしょうか。東京ローズという名も、そう呼ばれたアナウンサーも、いやその声自体さえもが声の送り手ではなく、リスナーによって作られたと言えるかもしれません。
積層する文字と違って、目に見える痕跡を残さない「声」たちは、発生した途端に霧散していきます。
「東京ローズ」と呼ばれた70年前のラジオ・トウキョウのアナウンサーたちの声を、現在は手近に聞くことが出来ますが、アーカイブに残る声の断片は、それ自体が痕跡であり、想像を助けるものに過ぎません。舞台は、失われた声、レッテルを貼られた声の「取り戻し」、生身の人間をふくむ様々な装置を駆使する「呼び起こし」の儀式のようなものです。その声は観客席に届いたり届かなかったり、耳元に近づき、またノイズの中に遠ざかっていくこともあります。また、生の声と人造音声、そしてライブと録音が入り混じり、アノニマスな波長は人々の欲望を体現して変化していきます。
歴史の波に消えた声たちを真に再生できるのは演劇という行為だけかもしれません。
昨年、神奈川芸術劇場と愛知県芸術劇場で上演した「ゼロ・アワー」をさらに推敲し、戦後70年の年に、アメリカと日本、両国の公演において、俳優たちとともに、新たな舞台に立ち上げたいと思います。
<北米ツアー行程>
2015年1月25日(日)~3月1日(日)
1/29~31 ニューヨーク @ジャパンソサエティー 3回
2/6~7 ワシントンDC @ケネディセンター 2回
2/13 タウソン @タウソン大学ステファンホール 1回
2/21 トロント @小林ホール 1回
2/26-28 ロサンジェルス @レッドキャット 3回
<クレジット>
作・演出・美術 やなぎみわ
出演 松角洋平、荒尾日南子、小林亜美、西村壮悟、明季、益田さち
振付・出演 松本芽紅見
舞台監督 浜村修司
舞台監督補 武吉浩二
技術監督 岩村原太
音響 小早川保隆
照明 池辺茜
映像制作 三谷正
映像・字幕操作/小道具 黒飛忠紀
衣裳 朝倉夕加里
宣伝美術 木村三晴
翻訳 マチダゲン
装置デザイン トラフ建築設計事務所
チェス棋譜制作 若島正
演出助手 山﨑なし
制作 井上美葉子
企画・製作 やなぎみわ演劇プロジェクト
協賛 資生堂
協力 KAAT神奈川芸術劇場、京都造形芸術大学舞台芸術センター、立誠・文化のまち運営委員会、特定非営利活動法人コミュニティアートセンタープラッツ/城崎国際アートセンター
助成 文化庁、アジアン・カルチュラル・センター
共同製作 あいちトリエンナーレ2013
<作品上演履歴>
やなぎみわ演劇公演「ゼロ・アワー」〜東京ローズ 最後のテープ〜
神奈川公演
2013年7月12日(金)~15日(月)
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
あいち公演
2013年8月30日(金)~9月1日(日)
愛知県芸術劇場<小ホール>.
主催 やなぎみわ演劇プロジェクト 提携 KAAT神奈川芸術劇場
製作 やなぎみわ演劇プロジェクト、あいちトリエンナーレ2013