ブログ

前へもどる

2016年10月2日

KIACインターン:てがみ座滞在制作レポート【総括②】

 この1週間インターン生として、とても貴重な体験をさせて頂きました。学年も出身も大学で学んでいることもバラバラで、KIACに来て初めて顔を合わせたインターン生3人。職員の方々とも、てがみ座の方々とも初対面で、城崎にも初めて訪れました。日常とは違った特殊な環境の中で生活し、滞在することは、私たちにとっても、カンパニーにとっても意味があったように思います。

 今回の滞在で、現場での生の声を聞くことができ、作品にかける演者、制作それぞれの想いや苦労、大変さを身をもって体感することができました。
作品の中で使用される、音、光、道具、動作、どんなに細かいものであっても、演出、美術、音響、照明、どの立場からもこれらの表現はすべて意味のあるものであり、作品の世界を色づける重要な役割を担っています。また制作の方々は、どうすればより多くのお客さんに出来上がった作品を見てもらえるか、それに加えて劇団や作品の方向性を見定めて、広報活動、公演日、会場、チケットの手配を行っています。演劇は特に、多くの役職の人々との関わりが重要で、それぞれがいかに連携を取り、繋がっていくかが公演成功の鍵になるのではないかと思います。”お客さんが席に座り、数時間の演劇を鑑賞する”という行為の裏側にある、膨大な準備の時間と、知恵、熱意に改めて気づかされました。
img_4350_1600

 また、KIACではアーティストが滞在する条件として、地域の人に向けて公開プログラムを行うことになっています。芸術のどのジャンルにも言えることかもしれませんが、完成された作品を発表することは演者から観客に完成品を見せるだけで終わってしまい、どうしても一方通行な関係になってしまうように感じていました。公開プログラムを行うことで、作品の過程を見せ、これにアンケート、交流会等の形を通じて何かしらのフィードバックが制作者の元に帰って来ます。このことは制作者にとってもモチベーションの向上につながり、観客である地域の人には、作品、演者をより身近に感じることができるのではないかと思いました。実際に私たちも、公開リーディングを見終わった後に地域の方と交流をしましたが、作品の完成を期待してワクワクしている様子が印象的だったことを覚えています。アーティストと観客が近い距離で、作品への素直な感情や感想を共有する、このような環境があることは相互に新たな発見が生まれていくきっかけになると感じました。
img_4462_1600

 てがみ座の方々、職員の方々、インターン生の人たちと、ご飯を食べたり、お話しをしたり、アートセンターで生活し見聞きすることすべてが新鮮で、城崎での滞在は本当にあっという間でした。
また、滞在制作に関わり、作品作りを拝見していくうちに、台本の言葉に動きがついて、感情がのっていって《燦々》の世界がどんどん立体的になっていくのを感じました。てがみ座さんの稽古は、今後どのように生かされ、変化し、作品が作られるのか、そして物語の結末はどうなって行くのでしょうか?作品づくりの過程のほんの一部を拝見させて頂いた身として今からとても楽しみにしています。
(インターン生・勝又)

© 2013 Kinosaki International Arts Center