KIAC

バラ色ダンスプロジェクトは、舞踏の創始者・土方巽の初期代表作『バラ色ダンス』（1965年）をもとに、ダンス界の異才・川口隆夫と川村美紀子が、カオティックな美意識から舞踏を再検証する長期プロジェクトの2年目。80代の舞踏家や20代の若手ダンサーらとともに、突き抜けるような明るさで現代社会の閉塞感に揺さぶりをかける。

滞在終盤に、ダンサーと一緒に、創成期に白粉の代わりに用いられた石膏で実際に白塗りを体験してみるワークショップを実施する。

＜アーティストからのメッセージ＞
舞踏は白塗りというステレオタイプなイメージがありますが、その創世期には、白粉だけではなく、いろんな素材が使われていました。そのひとつが石膏です。石膏で全身白塗りをして、それが固まったあと、ゆっくりと体を動かしていくと、石膏が鱗のようにはげ落ちていきます。その時の皮膚感覚は、まるで自分が脱皮していくかのような感覚があります。また、剥がれ落ちる石膏のかけらが床に当たってたてる音がとても繊細な趣があります。
全身の皮膚感覚、身体の動き、呼吸、音など、万華鏡のような五感の渦を感じるワークショップです。
川口隆夫